業革第5回研修「日弁連『情報セキュリティ規程』対応のための研修会」レポート

1部67期 藤原 亮太

令和5年10月17日(火)、弁護士会館において、今年度第5回目となる業務改革委員会研修「日弁連『情報セキュリティ規程』対応のための研修会」がハイブリッド方式により開催されました。
ご担当いただいた講師は、第二東京弁護士会所属55期の平岡敦先生です。平岡先生は令和4年6月に弁護士情報セキュリティ規程が成立するにあたり、平成25年12月に制定された弁護士情報セキュリティガイドラインのワーキンググループ時代から携わるなど、当該規程の問題について大変造詣の深い先生です。
参加人数については、合計37名、うちリアル参加は9名に及び、大変盛況となりました。
講義は、「セキュリティ事故の脅威」、「訴訟手続IT化に伴うリスクの増大」、「日弁連『弁護士情報セキュリティ規程』」、「基本的な取扱方法サンプル」、「セキュリティを守る事務所インフラ」という章立てで行われました。
冒頭、弁護士業界や他業界の情報漏洩事故に関する具体的な事例を用いて、何故、弁護士情報セキュリティ規程が成立するに至ったのか、詳しく解説していただきました。
海外では、ランサムウェア攻撃対象として、専門・法的サービスの業種に関する被害が圧倒的に多いことを示していただき、IT化に伴い十分な対策を講じることの重要性を認識することが出来ました。
弁護士情報セキュリティ規程の全体構造については、当該規程はあくまで枠組みに過ぎず、法律事務所の規模や業務の態様等に応じて、各法律事務所が必要となる基本的な取扱方法を定める必要があることを丁寧に解説していただきました。
平岡先生が作成に携われた、日弁連のホームページにも掲載されている「基本的な取扱方法の例(弁護士1人の法律事務所・弁護士複数の法律事務所)」を共有しながら解説していただいたことで、参加者は、問題意識を高めることが出来ました。
各法律事務所が基本的な取扱方法を定めなければならないところ、前提として、枠組みとなる弁護士情報セキュリティ規程の理解を深めることが重要であると分かり、大変興味深い講義をしていただきました。
研修会後には弁護士会館の地下で講師を囲んで懇親会を開催し、講義での質疑応答に引き続き闊達な議論がなされ、有意義な懇親の機会となりました。
業務改革委員会では、今後も有益な研修を提供しようと思っておりますので、興味のある研修には奮ってご参加ください。

業革第5回研修