法友会の歴史・沿革
法友会は、昭和21年12月14日に創立された東京弁護士会内の任意団体であり、現在は、約2700名の会員数を擁するに至っております。
創立前の東京弁護士会内は、東京法曹会、二一会、大同会、同志会等の大会派とその他十数の小会派がありましたが、法友会の結成にあたってはそのうちの11の会派が集まり、法友会が結成されました。
創立総会の案内、創立の趣旨、当時の会則及び法友会綱領は下記のとおりです(法友会創立50周年記念誌から引用)
拝啓初冬の侯益御健勝の段奉賀候 陳者下名各会派は多年に亘る東京弁護士会内諸会派分立の実情に鑑み別紙創立趣旨に則り今回新憲法公布を機とし大同團結して法友会を設立することと相成り左記に依り創立總會並に懇親会を開催可致候間萬障御差繰り御出席賜り度此段御案内申上候 敬具
記
一、日時 昭和二十一年十二月十四日 午後三時
一、場所 東京駅前工業倶楽部
一、會費 金壱百円(懇親会費)
準備の都合上折返し御出席の有無相煩し度願上候
昭和二十一年十二月二日
各會代表準備委員(イロハ順)
法曹縦横会 春田定雄 高安安壽 山田廣治 馬越旺輔 松島政義 鈴木重信
法曹新人会 堀場直一 大泉信 鍛冶利一 成智壽朗 浦田関太郎 牧野内武人
戌辰会 岩松孝雄 加藤隆久 中澤喜一 長縄由次郎 清水誠造 杉山基治
十一会 太田実 大滝總太郎 渡辺俊二 宮川信壽 藤井孝 喜多辰次郎
緑新会 戸倉嘉市 横山茂 田辺恒之 安積伊二郎 平林庄太郎 杉生糺
革新会 芳賀喬一 和光米房 高田六司 滝沢良策 三森武雄 鈴木熊七
達成会 西田米蔵 星清 小田泰三 岡崎源一 浦城興次郎 宍道進
公正会 柏倉栄助 團野甚十 万代蕃 真鍋八千代 寺坂銀之輔 水上孝正
易水会 馬場重記 大島正恒 岡本駒之助 箭柏卯行 増田傳吉 小堀満馬
五月会 荻山虎雄 岡本喜一 小倉徳太郎 松岡小一郎 後藤信夫 杉松富士雄
昭和法曹倶樂部 猪股正清 上床将 野村高助 佐野保房 犀川久平 杉村沖次郎
新會創立の趣旨
新憲法による基本的人権の確立は必然的に辯護士の職責を廣汎且重大なものとした。
吾等が此の重大なる使命を完遂し人民大衆の信頼と尊敬を克ち得る為めには人格の陶冶と識見の向上に俟つの他はない。
茲に理想を同じくする同志相寄り相互の親睦を固くし不断の努力に依り一致團結以て在野法曹の先達たらんことを期する。
法友會々則(案)
第一條 本會は法友會と称する
第二條 本會は會員相互の親睦を固くし人格の陶冶と識見の向上を圖るを目的とする
第三條 本會に左の役員を置く
幹事 若干名 顧問 若干名
幹事會は幹事長並に常任幹事を互選することを得る
幹事の任期は一年とする
第四條 役員は總會に於て選任する
第五條 本會は毎年十二月並に臨時必要の場合總會を開く
總會は本會の重要事項を決定する
法友會綱領
一、廣く知識を世界に求めて、國際司法文化の進展に寄興する。
二、司法の民主化と、法曹一元の完成を期し、平和日本の建設に邁進する。
三、新憲法の精神に則り、裁判の公正に協力し、あまねく基本的人權を擁護する。
四、人格を陶冶し、識見を磨き、常に法曹としての品位の向上に努力する。
五、會員相互の親睦を圖り、相携へて、生活協同體の實現を期する。
各部について
法友会結成後、緑会、中道会、清和会、れい明会などが加わる一方で、昭和29年に当時の2部、8部、12部を合同して二六会が、当時の9部、10部、14部、15部を合同して6部至誠会が結成され、新たに8部春秋会が加入しました。そして、昭和58年には法曹同志会が加わり、現在、法友会は下記の各部によって構成されています
法友全期会の設立の経緯
また、昭和38年8月1日には法友会の会内にて、「修習生」出身の若手弁護士で構成する法友全期会が結成されました。もっとも、昭和50年ころより、法友会会員の大半が法友全期会の会員で占められるという構成になってきたため、昭和52年には法友全期会内に法友全期機構改革委員会が設置されて3年間の協議の結果、法友全期会は15年定年制を採用することとし、昭和55年4月に新生法友全期会が発足し、その後、政策提言、若手の業務活動の拡大、法律相談会の開催、出版など幅広い活動を積極的に行っています。
法友会の現在の状況
法友会では、各部の活動を基礎としつつ、法友会全体としては、常設委員会及び特別委員会を設置し、各委員会の活動を通じて、政策の提言、日弁連、東弁、関弁連等の役員、司法研修所教官、最高裁裁判官などの重要人事を推薦するなどして弁護士会のみならず法曹全般に対する活動を行っています。そして、2011年度からは、未曽有の被害を発生されるに至った東日本大震災の支援を契機に被災地支援に取り組み、また2017年度からはダイバーシティに取り組むためにダイバーシティ推進特別委員会を設置し、幅広い活動を展開しています。