業革第7回研修「「働き方改革」から「働きがい改革」へ―日本のワークエンゲージメントの向上を目指して―」レポート

12部69期 我妻大輔

令和5年11月21日(火)、弁護士会館において、今年度第7回目となる業務改革委員会研修「「働き方改革」から「働きがい改革」へ―日本のワークエンゲージメントの向上を目指して―」がハイブリッド方式により開催されました。
参加人数については、合計18名、うちリアル参加は9名に及び、大変盛況となりました。
研修は全4部に分かれ、各部30分程度で4名の講師にそれぞれ個別のテーマをご講義いただきました。
第1部は、「ディーセントワークとは?―SDGs目標8「働きがいも経済成長も」を達成する―」と題して、ILO駐日事務所プログラムオフィサー渉外・労働基準専門官の田中竜介様にご講義いただきました。「ディーセントワーク」(=働きがいのある人間らしい仕事)がSDGs目標8にも掲げられた事項であることを出発点に、その実現のため、持続可能な企業活動における人権の尊重の重要性、そのような働きがい、経済成長の実現における弁護士としての業務機会やその役割、課題について、国際機関に従事する田中様ならではの、国際的な視点からご説明いただきました。
第2部は、「人的資本経営とは?-人的資本開示の義務化が経営に好影響をもたらす―」と題して、HRガバナンスリーダーズ株式会社プリンシパルの見城大輔様にご講義いただきました。人的資本経営という概念、人的資本経営の仕組みやこれによる企業経営の重要性、課題を、多数の企業のガバナンスについてコンサルタントをされたご経験から、具体的事例を交えて、わかりやすくご説明いただきました。
第3部は、「ワークエンゲージメントとは?―労働者の意識が生産性向上を左右する―」と題して、MAIキャピタル株式会社公認会計士石塚兼也様にご講義いただきました。人口減少の著しい日本においてGNPを維持拡大するための要素として、ワークエンゲージメントという概念(端的には、活力、熱意、没頭の3つが揃った状態)を主に、これによる企業活動への影響についてご説明いただいたうえ、このようなデータを利用した弁護士業務における示唆をいただきました。
第4部は、「働きがい改革で何が変わるのか?-働きがいがソーシャルイノベーションを起こす―」と題して、社会保険労務士の山﨑剛様にご講義いただきました。多数の企業に対する人事労務コンサルティングとしてのご経験も踏まえ、企業活動における「働きがい」の重要性や「働きがい」を高める企業活動の方法を、具体的な事例を交えて、わかりやすくご説明いただきました。
各講師とも30分程度という短い時間でしたが、「働きがい」の必要性・重要性、弁護士業務との関連について、それぞれが異なった視点から深く内容の濃いご講義をいただき、一回の研修会としてはこれ以上ないと思える充実した研修会になりました。
研修会後には弁護士会館の地下で講師を囲んで懇親会を開催し、短い研修会の時間では聞くことができなかった、講義の続きをざっくばらんにお話しいただくことができ、閉店まで盛り上がりました。
業務改革委員会では、今後も有益な研修を提供しようと思っておりますので、興味のある研修には奮ってご参加ください。

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