業革第6回研修「経済安全保障の基礎知識」レポート

12部68期 井上 裕貴

 令和7年3月12日(水)、今年度の第6回業務改革委員会研修「経済安全保障の基礎知識」が開催されました。

 今回の研修では、当会所属の弁護士である桜田雄紀先生(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業)を講師に迎え、国内外の経済安全保障に関する最新動向や企業の対応策についてご講演いただきました。桜田先生は、輸出管理、経済制裁、投資審査など経済安全保障関連の規制対応に精通し、実務経験が豊富な専門家です。
 講義は、主に「経済安全保障の基礎概念」「中小企業が直面するリスク」「日本の経済安全保障法制の現状」「具体的なケーススタディ」の4部構成で行われました。

 まず、経済安全保障の概念について、日本の国家安全保障戦略における位置づけや、国際社会における経済的措置の重要性について解説がありました。

 次に、中小企業が直面する経済安全保障リスクとして、サプライチェーンの断絶、技術流出、外国企業による買収の危険性が挙げられました。特に、外国企業の買収により、日本の技術が海外に流出するリスクが強調されました。

 さらに、日本の経済安全保障法制の現在地について、2022年に成立した経済安全保障推進法の4つの柱(①重要物資の安定供給確保、②重要技術の官民連携、③機微技術の特許非公開化、④重要インフラの安定供給確保)について詳しく説明がなされました。

 また、ケーススタディとして、技術流出事案や投資管理の具体例が紹介され、経済安全保障リスクを回避するための実務的なポイントが示されました。特に、技術情報の管理体制を強化することの重要性が指摘されました。

 本研修は、経済安全保障という複雑なテーマをわかりやすく解説いただき、参加者から非常に好評を得ました。業務改革委員会では、引き続き、実践的な研修を企画していく予定です。

 今後も、多くの会員の皆様にご参加いただければ幸いです。

業革第6回研修「経済安全保障の基礎知識」