災害対策委員会「第1回 災害研修会」報告

1 はじめに

令和7年11月10日(月)18時00分から20時00分まで,第1回災害研修会を開催しました。
今回は,令和6年能登半島地震や令和6年奥能登豪雨災害後の能登の復興状況について,地震発生から1年半が経過した現在において,どのような状況であるのか,どのような問題に直面をしているのかについて,
上田知史氏(能登町役場総務課)
浜田和明氏(のと復興支援株式会社(能登半島地震復興支援ファンド運営企業)にのと共栄信用金庫から出向中)
水上志都氏(能登不動産株式会社)
の三名をお招きして,Zoomにて,お話を伺いました。

2 研修内容

まず,水上氏からは,不動産業の観点から,現在の能登町の空き家や空き家バンクの状況などを詳細に説明いただきました。
その上で現状の問題として,修繕が必要な空き家が多いことや,物件の調査に時間がかかること,入居者の希望どおりの物件がないことなどを指摘されました。
次に,上田氏からは,地震における災害関連死の数が総死者数の約65パーセントを占めており,直接死数を大幅に上回っていることや,現在の応急仮設住宅の状況などを説明いただきました。その中で,災害公営住宅が未だ整備中であり,入居開始が令和9年予定とされていることや,災害関連死にかかる審査委員会が県の設置する1つにとどまっており,かつ,各市町の月ごとの申請件数に上限が設けられていること(能登町の場合,当初は7件だったものが現在は4件)により,申請件数の大幅な滞留が生じており,災害弔慰金の支給可否の判断までのリードタイムがどんどん遅延している問題をご説明いただきました。
最後に,浜田氏からは,能登町の中小企業に対する債権放棄・出資支援・経営支援・再生支援を行う能登産業復興相談センターの仕組みやその機能・現状を説明いただきました。その上で,融資実行までなかなか進まないことや,補助金の申請に関して援助する役割を担う法律の専門家の不足や不正受給にかかる問題を指摘されました。

3 感想

地震発生から1年半が経過した被災地における復興の状況のリアルな現実を確認し,いまだ多くの問題点を知ることができたことは大変有意義でした。
特に住居という生活の根幹にかかわる点での支援がまだまだ必要であることを痛感しました。
また,災害関連死に係る審査委員会の設置に関する問題については,まさに先般発出した当委員会の意見書記載の問題意識を裏付けるものであり,南海トラフ巨大地震に備え,被災想定自治体に対して,審査委員会の設置の法的義務の明定や,具体的な設置・運営の方法について一定の指針を示すことが急務であることを実感しました。
そして,やはり金融の分野においては,法律家として,支援をしなければならない現状があることを認識できました。
今回はZoomの利用という非常に参加しやすい方法であったことからも,このような研修会を定例的に行い,多くの会員に参加してもらえればと思いました。