幹事長挨拶【令和元年度】

鈴木善和先生

平成31(2019)年4月吉日

令和元年度執行部スタートのご挨拶

1989年1月8日に始まった平成も残り1か月で30年余の幕を閉じます。振り返って,平成が始まったときには思っても見なかった感情,それは,やはり平成は一つの時代をなしたという感慨があります。それは,平成が始まった1989年が,1889年の大日本帝国憲法の発布から100年,1789年のフランス革命から200年,1689年の英国の名誉革命から300年という憲政史上の記念の年としての意味を超えて,ベルリンの壁が象徴する冷戦構造の崩壊という世界史上における重大な画期となった年としてスタートしたからということによるものです。
我が国の平成デモクラシーを形作った政治改革,行政改革,そして私どもの現在に大きな影響を及ぼしている司法改革は,この1989年の出来事に由来しています。日弁連が「司法改革に関する宣言」を総会で採択したのは1990年でした。その後10年を経た2001年6月に司法制度改革審議会意見書が出され,改革は,具体的な制度設計,実行,見直しと営まれてきました。この間,日弁連は,2011年,「民事司法改革と司法基盤整備の推進に関する決議」を総会で採択し,民事司法改革を「第二次司法改革」として提唱し推進することを市民に約束しました。
本年4月,いよいよ内閣官房に「民事司法制度改革推進」に関する関係府省庁連絡会議が設置されて,政府を挙げて民事司法改革に取り組む態勢がスタートします。法友会も,これに主体的に取り組む必要があります。
今年度は日弁連会長選挙の年でもあります。大切なことは,昨年度の年度末総会においても確認されたことですが,「会員皆が一致した行動をとる」,ここにあります。
東弁財務問題は,重要課題です。問題は各論にあります。単年度で解決できる問題ではありませんが,既に本格的な改革に向けて動き出している理事者を支え,それぞれが,身を切る思いを以って対応することが大切だと考えます。
もとより,法友会の活動は,会員のためにあります。「入っていて良かった法友会」これが私ども執行部の第一のモットーです。同時に,全国の弁護士会における最大会派としての責任もあります。「社会から必要とされる法友会」,これなくしては私たちの存在の正当性はありません。キャッチフレーズとて,「善は急げ」という言葉も頂いておりますが,これも大事です。
ご批判を糧に,感謝の気持ちを忘れず,その職責を果たし,次にバトンタッチして参りますことをお誓いし,令和元年度執行部,総勢49名を代表しまして,就任のご挨拶とさせていただきます。1年間,どうぞ宜しくお願い致します。

敬具

令和元年度法友会幹事長
鈴木 善和